Unfortunated odaiji

僕の残念はみんなの微笑み。生活にちょっとした「クスッ」を。

ポケモン豪雨


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ゲリラ豪雨という言葉が生まれてからの夏の空は、思春期の少女よりもうつろいが激しい。男にゃとうてい理解できない。

 

梅雨も明けたある日のお昼時、僕は自宅から40分くらいの所にラーメンを食べに行っていた。最寄り駅から徒歩15分~20分というところにあるその店は、交通の便が悪いのにお客さんがひっきりなしに来るという所。

 

ラーメンのおいしさは思春期の少女でも男でもわかるもので、そのとんこつラーメンは食べてて嬉しくなっちゃうものだ。

 

天気が心配だったが夕方から荒れるかも、ということだったので傘を持たずに行ったのだけれども。

 

ラーメンの替え玉を3回している間に、どうやらひどい雨が降って、そして去ったらしい。固めに茹でて貰った麺と戯れているときには外の雨なんて気づかなかったけれど、ごちそうさま美味しかったよ!といって店を出ると、さっき乾いていたアスファルトから何とも言えない香りが出ていて、そして湿っているのに気づいたわけだ。

 

いやあ、日頃の行いが良いし、他で残念の洗礼を受けているから雨には降られなかったんだな。俺ってばラッキー!

 

そう思って、じゃあ次に雨が降るまでに家に帰っちまえ!といそいそ駅に向かったわけさ。

 

あー、この地図に天気情報が出ていたらめっちゃ便利なのに!

と、時折立ち止まってポケモンGOの画面を見ながら思ったり、野生のビードルに逃げられたり、スマホにはスクショがあるのに、なんでポケモンのカメラ機能はあるのかと思いをはせながら駅に向かう。

 

途中、カイロスにノーマルのボールをぶつけていたら8回当たっても獲れなくて逃げられる、5キロタマゴからコイルなんぞという見たことのないモンスターが出てきてわーい。ふかそうちを再セット!なんてこともあったりしたが、無事20分くらいして駅前の大通りに出た。あとは真っ直ぐ進むだけで駅に着いて、電車乗って帰宅だ!

 

そう思っていたら、残り300メートルくらいって所でビックリするような雨ですよ。

 

志村-!後ろー!

 

って言われるような、たらいをひっくり返したような勢いの雨が、僕が駅に着くまでの300メートル進む間だけ降ったような感じでね。

 

そして、なんだか分からないけれど逃げ場がないんだよ。

 

シャワーを浴びたような髪の毛。

先輩芸人からプールに突き落とされたかのようにぬれたポロシャツ。

おねえさんに「ぼく、我慢できなかったんだね」って言われちゃいそうなハーフパンツ。

 

おっさんポケモン「ぬれねずみ」の一丁上がりだ。

 

たぶん、あのときカイロスをハイパーボールでやっつけておけば。

立ち止まってニョロモをニョロゾに何匹も進化させなければ。

ノーマルのボールが少なかったのに、わざわざポケモンを取りに行かず、通りすがりのポケストップで補充するだけにしておけば。

 

僕は水もしたたることがなかったし、いい男になることもなかったよ。

いや、いい男になりたい。

 

みなさん。

 

ゲリラ豪雨が元気な今日この頃、ポケモン豪雨GOで遊ぶ際には傘をお持ちください。