Unfortunated odaiji

僕の残念はみんなの微笑み。生活にちょっとした「クスッ」を。

神よ。許し給え。与え給え。


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神よ、許し給え。

 

僕は、悪いことをしてしまいました。

 

そう。エスカレーターの右側を歩いて上ってしまったんだ。東京はエスカレーターの右側が「追い越し車線」だから・・・。

 

 

 

 

徹夜明けの朝。

 

町は通勤の時間を迎えていたけれど僕はぼろぼろになって帰宅する途中だった。

 

「オール」だと遊んでいるっぽいけれど「徹夜」だと遊んでるか働いているか分からないっぽいよね。僕はその日は働いていた(働かされていた)んだ。

 

疲れた。電車から降りて、乗り換えの移動ですら動きたくない。電車の扉が僕の家に直結していてほしい。

それがだめなら乗り換えを無くしてほしい。地下鉄から地上に出るのがもう辛い。

 


でも電車のホームのエレベーターには乗ってはいけない。あれはお年寄りや身体があまり自由でない方のために空けておくもの、というマイルールを持っている自分は、長〜いエスカレーターに乗った。

 

半蔵門線の永田町のエスカレーターといって分かる人はいるかな?3階分、いやもっと?を一気に上るエスカレーターがあるんだけれど、そんな雰囲気のやつ。


東京なので左側のレーンで手すりにつかまり、「あ~、だり〜っ」てもたれかかるようにしてやろうとしたんだけれど。したんだけれど。


ドドドドドッ。

 

左側でのんびりするはずの僕は、なぜか右側に押し出されてしまったんだよ。
貴乃花に敗れた千代の富士は引退を決意し、貴闘力の取ったりに破れて実際に引退した。押し出されてはいない。押し出されたのはこの日の僕だ。


そして左のレーンに戻れない。朝のラッシュすげぇ。そして切れ目を探すんだけれど、長〜いエスカレーターの、うんと上にしか隙間がない。

さて、右レーンの後ろを見ると、エスカレーターを上りたくて仕方ない人たちが「とっとと上がれゴルァ」の目で僕を見ているんだ。

 

きっと、ゾンビ映画「ウォーキングデッド」でゾンビに睨まれたらこんな風に生きた心地がしないんじゃないかっておもったね。「シャー」とか言わなかったけど。言っても良さそうな雰囲気だった。

 

追い立てられるように。

逃げるように。

 

エスカレーターを歩いて上ったよ。

僕は主人公・リックのような覚悟や攻撃力がないからさ。

上りたくはなかったんだよ。マナー的云々よりも、体力的にね。

 

左レーンの切れ間を目指してうまく入り込もうと思ったら、ほとんど1番上だったよ。あきらめて右レーンを歩き切ったさ。

その間、たかだか20秒、30秒くらいだったと思う。へとへとの僕は、さらにもうひとつ「へと」が付くくらいには更に疲れたねぇ。

 

ガス欠だったけど、エンジンの中を巡っていた分のガソリンで動いていた車が、そのガソリンまでなくなった感じ。いやまあ実際は歩けてるから、そのガソリンはあるんだろうけどさ。気持ちのたとえだよ。

 

そのときのぼくはウォーキングできないデッドだったね。それから家に帰るまでの道筋は、あんまり覚えていない。

 

神よ、私にに許しと平和と幾ばくかの睡眠を与え給え。

アーメン。