隣同士
ある時、お友達の女子・ともちゃんに誘われた。
奥野さん、サントリーの野球のペアチケット当たったから見に行こうよ!
はいはいはいはいはいはいはいはーい!
なんて積極的な返事をするほど僕は安い男じゃない。そういう時こそ少しでも高く売るのが交渉術というものだ。
よよよよよよよ喜んで!
だって可愛いんだもん。おじさんキラーだね。
残念名人戦
隣の隣の隣の隣の隣の隣の隣のそのまた隣くらいの町のお祭りがあってね。関係者の人に誘われたんすよ。その関係者の人、以前一度だけお仕事っぽいのでご一緒したことがあったんですけどね。
あー奥野さん、将棋得意だったよね。
お祭りでさ、縁台将棋やるんだよ。よかったら相手役やってよ。
(ぬ?お仕事依頼?)
大丈夫。ギャラは出ないけどビールいくらでも飲めるから。
屋台で売ってるからね。
(飲めるって俺が払うのかよ!それ「いくらでも飲める」っていわないよ!)
浴衣姿のお姉さんもたくさん来るよ!
(いや、将棋指しには来ないでしょ。そもそも大きな花火イベントのある日でしょ!)
じゃ、よろしく!15時から20時まで。屋外の仮設テントの中で、冷房ないけどね!
(暑いよ。おっさん虐待かよ。)
はい。かしこまりました!
(…今度仕事回してよね!)
なんだか分からないけれど、将棋を指す前から敗色濃厚だ。濃厚民族。